気をつけたいビジネスメ-ル

【尊敬語と謙譲語を混同していませんか?】《平成30年9月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

「まずは無料の省エネシミュレーションをお試ししませんか?」。相手に「試しませんか」と呼びかける場合、「お試ししませんか」という敬語の使い方はNGです。「試す」のは相手なので、相手を主語とする尊敬語「お~になる」を用い「お試しになる」の問いかけの形である「お試しになりませんか」を使って「まずは無料の省エネシミュレーションをお試しになりませんか?」とするのが適切です。「お試しになりませんか?」のほかに「お試しになってください」「お試しください」としてもよいでしょう。「ここで待っていてください」と相手に伝える場合も「ここでお待ちしてください」というのは誤りで「ここでお待ちになってください」「ここでお待ちください」とするのが適切です。自分が「待つ」のであれば謙譲語「お~する」を使って「ここでお待ちしています」としますが、相手が「待つ」場合は尊敬語「お~になる」を使って「ここでお待ちになってください」とします。「装置の仕様や精度など、弊社に色々お聞きしたいことがあると思います」という一文の「お聞きしたい」は、相手に自分が「聞きたい」場合に使うのであれば問題ありませんが、「自社へ聞いてください」と相手に呼びかける場合は「聞く」の主語は相手となるので尊敬語「お聞きになる」を使います。文末の「あると思います」も「あるかと思います」です。「装置の仕様や精度など、お聞きになりたいことがあるかと思います」とし、文の後に「下記へお気軽にお問い合わせください」のような一文を入れると収まりがよいでしょう。自分が相手に「聞く」場合は主語が自分で、謙譲語「お~する」を用いて「お聞きする」を「お聞きしたい」と変化させます。「装置の仕様や精度など、幾つかお聞きしたいことがございます」や「装置の仕様や精度など、詳細をお聞きしたいのですが」とします。誰から誰に「聞く」のかを整理し、相手に「聞く」場合は尊敬語「お聞きになる」、自分が「聞く」場合は謙譲語「お聞きする」を使い分ける必要があります。

 <尊敬語と謙譲語の使い方>

●尊敬語:主語は相手「お~になる」

 待つ → お待ちになってください

 聞く → お聞きになる

      お聞きになってください

●謙譲語:主語は自分「お~する」

 待つ → お待ちしています

 聞く → お聞きする

      お聞きしたい

【頼まれ事の上手な断り方】《平成30年8月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

相手からの依頼や誘いをやむなく断らなければならないときは返答に気を使います。どっちつかずの返答はやり取りを長引かせたり、誤解を招いたりすることにもなりかねませんが、断り方に配慮がないと相手は拒絶されたと捉え、気まずい雰囲気になることもあります。角の立たない断り方とは、無理をしたり、ごまかしたりすることではなく「できない」ときちんと意思表示した上で相手との関わりが続くように、配慮し、言葉や態度で伝えていくことです。例えば、集まりや会合などの誘いを受けたものの、都合が悪く参加できないという場合に覚えておくとよい言い回しが「せっかくですが」です。「せっかくお声かけいただいたのに」「せっかくのお話ですが」といった言い方もできます。断るときに「せっかく」を用いるのは、わざわざ相手が自分を気遣ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えるためです。理由があってやむを得ず断るが、機会があればまた声をかけてもらえるよう「ぜひともまたお声かけください」のようなフォローのひと言を添えるとさらによいでしょう。「せっかくのお話ですが、今回は見送らせてください」のように「今回は」という言葉を添えると「今回は無理でも次回は可能性がある」ことを伝えることができます。無理な依頼や強引な勧誘には、表現はやんわりと、しかし断る意志はきっぱり伝える方が得策です。気持ちの上では「ダメなものはダメ」「無理」と思っていても、メールのやり取りでは感情に訴える前に表現をひと工夫しましょう。この場合は「こちらでもどうにもならない苦しい状況を察してください」という意味合いの「おくみ取りください」を使います。「よんどころない事情につき、何とぞおくみ取りください」のように、対応できない理由をはっきり言わなくても「これ以上、言わせないでください」というアピールになります。対応や協力はできないけれど、相手の事情をくみ取った上でかける言葉としては「お察しします」があります。

<上手な断り方の例>

●せっかくですが、この日はすでに予定があり、参加がかないません。

●あいにく弊社では対応できません。どうか事情をおくみ取りください。

●ご苦労は重々お察ししております。

●事情はお察ししますが、当方としても対応いたしかねます。

【依頼上手な言い回し方】《平成30年7月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

受け取ったメールにカチンときたことはありませんか?メールは感情やニュアンスが会話ほどには伝わりません。相手に気を使って書いたつもりでも高圧的になっていたり、命令調になっていたりすることがあります。そこで今回は「依頼する」場合の上手な言い回しを紹介いたします。依頼の際にまず覚えておくとよいのが「~してください」から「~していただけますか」への変換です。例えば、社外の相手に修正を依頼する場合は「下記の点を修正してください」は「下記の点を修正していただけますか」。社外や目上の相手に依頼のメールを送る場合は「~してください」だと命令調になりますが「~していただけますか」と問い掛ける言い回しにするとメールの印象が和らぎます。さらに「恐れ入りますが」「お手数ですが」といった緩衝材になる言葉を添えると、より丁寧な一文になります。「恐れ入りますが、下記の点を修正していただけますか」「お手数ですが、販促用チラシを20部ご送付いただけますか」といった具合に、書き言葉では言い回しを変えたり、言葉を添えたりすることで気持ちや気遣いを伝えることができます。頼み事をする際「~してください」と相手に要求するだけでなく、ある程度の素案を考えておき、相手が「イエス」か「ノー」で答えられるようにもっていく方法もあります。例えば「次回の会議は7月3日(火)14時から第2会議室で行いますが、よろしいでしょうか」。このように先に概要を伝え、それでよいかどうかの判断を相手に仰ぐようにすれば決定も早まります。プランAのほかにプランBを提案するという場合は「飛行機もご利用いただけますが、天候が気になる場合は新幹線の方が確実です。いかがいたしましょうか」という尋ね方もあります。このように相手が判断・決定できるように「Aの場合とBの場合では、どちらにしますか」と問い掛ける形式にすると、やり取りがスムーズになります。まずは「~してください」を「~していただけますか」に変換することを覚えておくといいですね。

 <依頼上手な言い回し方>

 × 下記の点を修正してください。

 〇 下記の点を修正していただけますか。

 × 販促用チラシを20部、送ってください。

 〇 販促用チラシを20部ご送付いただけますか。 

【間違って使っていませんか?「おっしゃられる」「ご覧になられる」】《平成30年6月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

気を付けているつもりでも、うっかり口にしたり書いたりしているのが二重敬語です。例えば「山田部長が会議は15日でよいとおっしゃられていました」という一文。「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。その過去形は「おっしゃった」です。この場合は「おっしゃっていました」とすればよいところを、尊敬の「~られる」を付け加えてしまっています。このようにすでに敬語に変換されている言葉に、さらに尊敬の「~られる」を付けると二重敬語になってしまいます。上記の一文は「山田部長が会議は15日でよいとおっしゃっていました」とするのが適切です。「おっしゃられる」のほかに「いらっしゃられる」も同様の間違いです。「いる」や「来る」の尊敬語として「いらっしゃる」を使いますが、それに尊敬の「~られる」を付け加える必要はありません。過去形にする場合も「部長は会議室にいらっしゃいました」「昨日、社長が本社へいらっしゃいました」のように「いらっしゃった」や「いらっしゃいました」とするのが適切です。「山田部長は事前に先方の資料をご覧になられていました」という一文も二重敬語になっています。「見る」の尊敬語は「ご覧になる」。その過去形は「ご覧になっていた」ですが、上記の文ではさらに尊敬の「~られる」を付け加えて「ご覧になられていた」となっています。余計な敬語は除き「山田部長は事前に先方の資料をご覧になっていました」とするのが適切です。過去形の文を敬語に変換する際、本来は不要な尊敬語を付け加えて二重敬語にしてしまう傾向があるので注意が必要です。「資料を見ますか?」の尊敬語は「資料をご覧になりますか?」。過去形の「資料を見ましたか?」の尊敬語は「資料をご覧になりましたか?」です。尊敬の「~られる」を付けると、なんとなく敬語として収まりがよく感じられますが、敬語を幾つも重ねれば丁寧になるというわけではありません。むしろ敬語を過剰に使うほど、相手に対して失礼な印象を与え、逆効果なこともあるので気を付けましょう。

<尊敬語を使うときの注意点>

■「資料を見ますか?」

 〇 資料をご覧になりますか?

 × 資料をご覧になられますか?

■「資料を見ましたか?」

 〇 資料をご覧になりましたか?

 × 資料をご覧になられましたか?

※いずれも尊敬の「~られる」は不要

【角を立てに相手の間違いを指摘する方法】《平成30年5月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

次のような質問を受けました。「受け取ったメールに誤字や明らかに使い方を間違えている言葉が含まれていることがあります。こういう場合、間違っていますよと指摘していいものかどうか迷います。生意気だと思われるのも嫌だし、私だって間違って使っていることがあるかもしれないので、たいていは知らん顔をしているのですが、誰かが間違いを教えてあげないと、いつまで経っても気付かないままのように思います。こういう場合の角の立たない、何かよい言い回しはないでしょうか」。確かに相手の誤字や間違いが気になっていても、指摘すべきか迷うことがあります。社外の相手とのやり取りで、名前や社名、役職名、商品やサービス名といった固有名詞が一度ならず二度、三度と間違いのまま使われている場合は、相手が間違いに気付かず入力している可能性が高いためできるだけ相手に知らせましょう。伝え方としては、用件の後に「ところで、私の名前は△△ではなく□□です」や、「恐れ入りますが、当社の製品名は□□ですので、訂正をお願いいたします」といった具合に伝えましょう。上記のような固有名詞以外の間違いで、相手が字や名称、言葉の使い方を間違えており、そのままにしておくと誤解を招いたり、トラブルになったりする恐れがある場合も相手に指摘する方がよいでしょう。指摘の仕方としては「一点確認ですが、先ほどのメールにあった△△△の表記は□□□ではないでしょうか」と問いかける形の文にします。間違いを指摘するとき、あからさまに「あなたの表記は間違っていますよね。先ほどのメールに書いてあった△△△は□□□です」と相手を責めるような言い回しにならないようにするのがポイントです。指摘された方も素直に受け入れにくいからです。また文の大意に差し障りのない助詞・助動詞の使い方ばかり細かく指摘する人もいますが、これもNGです。文章の添削や間違い探しに時間を費やすことは避けましょう。

<誤字や間違いの上手な指摘の仕方>

× 先ほどのメールの表記は間違っています。

  △△の表記は□□ですよ。

〇 確認ですが、先ほどのメールにあった△△

  の表記は□ではないですか?

〇 先ほどのメールで気になったのですが、

  △△の表記は□□ではないでしょうか?

  ご確認をお願いします。

【「はなむけ」の正しい使い方】《平成30年4月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

新入社員を迎えるとともに、会社では離職・退職する人も多く見られ、人の入れ替わりが活発になる時期です。卒業や送別の際に使われる「はなむけ」という言葉。意味を理解して正しく使っていますか?「はなむけ」とは「馬の鼻向け」の略です。かつて旅立つ人のために道中の無事を祈り、その人の馬の「鼻」をこれから向かう目的地の方向に「向け」てやる習慣を「鼻向け」といいました。転じて、送別の際に贈る言葉や金品のことを「はなむけ」といいます。漢字では「鼻向け」「餞」と書きますが、新聞表記では「はなむけ」と平仮名表記で統一されています。また「はなむけ」を送る人に対してではなく、新たに迎える人に対して使っているケースがあります。門出を祝う言葉という意味から祝いの席で使う言葉と勘違いし「新入社員へのはなむけの言葉」と使うのは間違いです。「はなむけ」は旅立つ(別れる)人への言葉であり、新たに人を迎える場合は「新入社員へのあいさつ」「新入社員への言葉」とするのが適切です。会社では異動する人や離職・退職する人に対して使う言葉が「はなむけ」なので、異動してきた人や新入社員には使わないように注意しましょう。

では、相手の門出や旅立ちに際し、気持ちを言葉にして「おくる」という言葉の使い分けはできていますか?「おくる」には「贈る」と「送る」の2通りがあり、それぞれに意味が異なります。

「贈る」は、感謝や祝福の気持ちを込めて人に金品などを与えることです。旅立ちを祝う気持ちを込め、メッセージを相手に伝える場合は「はなむけの言葉を贈る」のように使うほか「創立記念式典で祝辞を贈る」と式典や表彰でも使います。対して「送る」は、去り行く人に別れを告げるときに用いる言葉です。「卒業生を送る言葉」「退職者を送る言葉」のように使います。「贈る言葉」が祝辞や賛辞という意味なのに対し「送る言葉」は送辞という意味の違いがあります。ちなみに、お祝いの電報「祝電」は直接、手渡すわけではないので「送る」を使い「祝電を送る」とします。

<「はなむけ」と「贈る」の使い方>

■「はなむけ」

 × 社長が新入社員にはなむけのあいさつをしました

 〇 来月、独立する山田さんにはなむけの言葉を贈りました。

■「贈る」

 ●嫁ぐ娘に父親が贈る言葉

 ●永年勤続表彰者へ贈る言葉

【経験談が自慢話になっていませんか?】《平成30年3月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

病気療養中あるいは療養後の相手に、つい言ったり書いたりしてしまうことのひとつに「自分の経験談を語る」というのがあります。最初は相手の参考になればという親切心から「自分が入院していたときは・・・」「私の症状は・・・」などと体験を語るうち、いつしか自慢話のようになってしまうこともあります。入院先も対応も自分のケースと同じということはなく、また病状や治療方法、回復の仕方も人によって異なるため、必ずしも相手の参考になるとは限りません。また「自分は○○だったから、あなたの場合も○○ではないか」という安易な判断や決めつけも控えましょう。良かれと思って自分の経験談をあれこれ伝えても、相手にとっては余計な情報ということもあり、かえって相手を不安にしたり迷わせたりすることにもなりかねません。病気療養の経験談は相手に尋ねられたらすればよいことで、その際も事実だけを述べ、憶測や誇張、私情を必要以上に盛り込まないことです。病気療養中や療養後の経験談を自分から語るのはNGですが、経験談が有効に作用する場合もあります。それは失敗して落ち込んでいる相手、特に部下や後輩が経験の浅さゆえにミスが続いたり、トラブルで自信を失ったりしている場合です。失敗して落ち込むのは、本人が責任を感じ、周囲に迷惑をかけた自分自身を責めているからです。それをさらに責め立てて相手を追い込むより「私も似たような経験をしたことがあってね」とそのときの状況や、どのように対処したかを伝えることで相手の気持ちは上向きます。ミスやトラブルを招いてしまい、どうしたらよいか分からない相手には「○○という対処法があるよ」と自分が経験した事例を伝えるのもひとつの方法でしょう。ただ、この場合も経験談が自慢話や昔を懐かしむだけの話にすり変わらないように注意しましょう。「私が若い頃は」とか「昔はもっと○○だった」という話は語る本人は気持ちの良いものですが、語られる側にとっては負担に感じるときもあるものです。

<自慢になりがちな経験談>

人から聞かれもしないのに自ら語り始める

のは迷惑行為と心得ましょう

●病気、療養、闘病体験

●仕事の武勇伝

●過去の成功体験

●自分が若かった頃と今の比較

●過去の苦労話(離婚、育児、介護など)

【「臭い臭い」をどのように読みますか?】《平成30年2月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

漢字を忘れてもパソコンやスマホの変換機能が助けてくれますが「使い分け」は人間が判断しなければできません。そこで今回は、表記に迷う2つの漢字を例に挙げて使い分け方を紹介いたします。「その計画は止めるべきです」に使われている「止める」。「とめる」とも「やめる」とも読むことができ、どちらの読みでも意味は通ります。しかし、自分では「とめる」のつもりで入力しても「止める」と漢字変換されると、読む側は「やめる」と読んでしまうかもしれません。新聞の統一表記では「とまる・とめる」の場合は「止」を用いた漢字表記とし「やめる」の場合は平仮名表記として区別しています。したがって継続している計画を停止する場合は「その計画は止めるべきです」とし、計画自体を終わりにする場合は「その計画はやめるべきです」と書き分けます。このように使い分けの基準を持っておくと、入力時に意図と異なる文字や意味で伝わることを避けることができます。「くさいにおい」を漢字で書くと「臭い臭い」となり、このままでは「くさいくさい」とも読めてしまいます。新聞の統一表記では、実際に不快なにおいがする場合は「臭い」と漢字で表記し、疑わしいとか怪しい様子を比喩的に表現する場合は「くさい」と平仮名表記にして区別しています。「におい」の漢字表記には「臭い」のほかに「匂い」もあります。新聞の統一表記では、鼻で感じる心地良いにおいを「匂い」とし、不快なにおいを「臭い」と表記して区別しています。

「臭い臭い」のようにどちらも同じ漢字表記になる場合は紛らわしいため「くさい」は漢字表記で、「におい」は平仮名表記で「臭いにおい」とします。もっとも「悪臭がする」と書けば、区別は容易ですが・・・。においは感覚的なものなので、柔軟剤や香水のにおいを心地良いと感じる人もいれば、不快と感じる人もいます。良い香りか不快な臭いか判別できない場合も「臭い」ではなく平仮名の「におい」を用いましょう。

<漢字と平仮名の書き分け例>

「止まる(とまる)」 → 交通が止まる、立ち止まる

「止める(とめる)」 → 差し止める、流れを止める

「やめる」      → 取りやめる、作業をやめる


「臭い(くさい)」  → 汗臭い、酒臭い

「くさい」      → うさんくさい、素人くさい

「匂い(におい)」  → バラの匂い、匂い袋

「臭い(におい)」  → 嫌な臭い、生ごみが臭う

【重言などの言葉の間違いに要注意】《平成30年1月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

今回はメール作法から少し離れて、新年にちなんだ言葉で間違いやすいものを取り上げてみました。

年賀状の最後に書き添える「元旦」。「旦」は夜明けや朝を意味するので「元旦の朝」という使い方はしません。重言になるからです。「元旦」または「元日の朝」とするのが正しい使い方です。「元日の夜」とは言いますが「元旦の夜」とは言いません。意味が矛盾するからです。ちなみに、年賀状に「元旦」という言葉が使えるのは1月1日に書く年賀状だけです。元来、年賀状は年始のあいさつ代わりとして、年が明けてから書き送るものでした。元旦に届く年賀状に「元旦」の文字があるのは、言葉の意味からするとおかしいことになるので注意しましょう。酒だるのふたを木づちで割る「鏡開き」。おめでたい席で行われますが、このとき「鏡を抜く」と表現します。鏡割りとも言いますが「割る」を忌み言葉として「開き」に言い換えているのです。結婚式などの祝宴でも、忌み言葉とされる「終わり」は使わず「お開き」を使うことが多いです。お正月の琴の音色を表して「古式豊かに」と言いますが、正しくは「古式ゆかしく」。「古式」とは「古来のやり方」という意味です。「古式ゆかしく」は、古来のやり方に懐かしさを感じ、昔をしのぶ様を表しています。ある時点から今まで、というとき「従来から」「従来より」を使っていませんか?「従来」という言葉そのものに「以前から今まで」という意味があるので「従来」には「から」「より」を付ける必要はありません。「以前から」と言い換えることもできます。同様に「から」「より」が不要な言葉に「古来」「かねて」があります。古来は「古くから」、かねては「以前から」という意味だからです。最後に、インフルエンザが流行し始める季節ですが、高熱に襲われたら「熱にうなされる」と言っていませんか?正しい表現は「熱に浮かされる」です。

<「から」「より」が不要な言葉>

「間違った使い方  :古来からの慣わし」

 → 正しい使い方 :古来の慣わし

「間違った使い方  :従来からある機能ですが」

 → 正しい使い方 :従来の機能ですが

 → 正しい使い方 :以前からある機能ですが

「間違った使い方  :従来より保守的な土地柄で」

 → 正しい使い方 :従来、保守的な土地柄で

 → 正しい使い方 :以前から保守的な土地柄で

【年始のあいさつで避けたい重言とは】《平成29年12月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

年賀状のやり取りを廃止する企業も増えている一方で、メールで年始のあいさつをするケースも見られます。年賀状にせよ、メールで年始のあいさつをするにせよ、気を付けておきたいことがあります。それは「新年明けましておめでとうございます」という表記です。最も一般的な年始のあいさつと思われがちですが、「明けまして」の前に「新年」を付けると重言になってしまいます。「明ける」は新年になることを意味するため「明けまして」で始める場合は、意味が重なる「新年」を用いるのは避けましょう。「明けましておめでとうございます」とするか、「新年」を使って「新年おめでとうございます」「謹んで新年のごあいさつを申しあげます」といった一文をおすすめします。「謹賀新年 明けましておめでとうございます」という一文も祝いの言葉が2つ続くことになるので「謹賀新年」か「明けましておめでとうございます」のいずれか1つにしましょう。「賀正」「迎春」といった2文字の賀詞は、祝いの言葉を簡略化したものなので、目上の相手に送る場合は敬意を省略したことになります。上司や客先など目上の相手には「謹賀新年」や「謹んで新春のお慶びを申しあげます」などのようにする方がふさわしいです。一年の初めに、あらたまった気持ちを相手に伝えるあいさつが年賀状です。年賀状に代わってメールで新年のあいさつをする場合も、相手に対して「新たな年を迎える喜びを祝う」気持ちを伝えるのが主旨なので、自分の目標や予定、都合を前面に出すのは控えましょう。できるだけ相手の繁栄や幸せを願う文面を心掛けることが望ましいです。相手からの年始のあいさつメールへの返信としては「明けましておめでとうございます。こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします」のように、返礼にも「こちらこそ」を添えるとよいでしょう。相手あっての自分であることに感謝し「お互いさま」「おかげさま」という気持ちを伝えましょう。

<年始のあいさつの注意点>

●重言

 × 新年明けましておめでとうございます

 〇 新年おめでとうございます

 〇 明けましておめでとうございます

●敬意の省略

 × 賀正

 × 迎春

 〇 謹賀新年

 〇 謹んで新春のお慶びを申し上げます

【「下記」と「以下」の使い分け方】《平成29年11月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

「下記」と「以下」、ビジネスメールではどちらを使えばいいですか?という質問を受けたことがあります。「下記」も「以下」も会社関係の書類やメールでよく使われている言葉です。意味を調べてみると「下記」は、ある文章のあとに書き記すことや、書き記した文章そのものを指します。対して「以下」は、これから後に述べることを指します。辞書によっては「以下」とは「下記」のこととしているものもあり、意味はほぼ同じといえそうです。しかし「以下」にはこれ以外の意味もあります。ひとつは「1万円以下は切り捨て」のように、数量・程度がある基準を含み、それよりも下であることという意味。もうひとつは「社長以下の役員全員」のように、代表として挙げる語をはじめとして、それに類するもの全部を指すという意味です。そうしてみると下にくる文章を指す場合には、それ以外に複数の意味を持つ「以下」よりも「あとに書き記す文章」という意味のみを持つ「下記」を使う方がしっくりくるかもしれません。「記書き」についても触れておきましょう。「記書き」とは「記」で始まり「以上」で終わるビジネス文書に特有の表記で、本文とは別に内容を箇条書きにして簡潔に分かりやすくまとめた書式を指します。通知の文書などによく使われていますね。極端にいえば、メールはこの「記書き」部分を簡潔にまとめ直したものと考えてよいでしょう。「拝啓~」などで始まる儀礼的な前文を省き、用件のみを伝えることができるのがメールの利点です。メール文を作成するときは「記書き」を書く要領、つまり箇条書きにして要点をまとめる習慣をつけておくと短時間で的確に処理できるようになります。まとめ方のポイントは、5W1Hを基本に「日時」「場所」「対象」「実施項目」「目的」「方法」、場合によっては「費用」などを順に整理して挙げていきます。ビジネスメールを書く場合は、この「記書き」を書くように文を構成すると、要点が絞られた的確で簡潔な内容にまとまります。

   <「記書き」の書式例>

        記

 日時 2017年11月1日(水)

    14時~17時

 場所 ABC文化ホール 会議室

 会費 2,000円

                以上

【漢字の多用と冗長な文章に要注意!】《平成29年10月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

メールの文章を読みやすくする工夫のひとつとして表記の統一が挙げられます。そして、よく使う言葉を漢字から平仮名に「ひらく」ことをおすすめします。「出来る」は「できる」、「~する事」は「~すること」のように頻繁に使う言葉をできるだけ平仮名で表記します。漢字は平仮名よりも画数が多く、直線が多いせいか見た目の印象もカチッと硬いのに対し、平仮名は画数も少なく、文字が曲線で構成されてやわらかいという見た目の印象の違いがあります。一文に使われる漢字の占める割合が多いほど視覚的にも硬く、文字の密度も詰まって見えるので、文字量が多くなるほど圧迫感があり読みづらく感じます。適度に改行を入れるとともに漢字の比率を下げて、よく使う言葉を平仮名で統一してみましょう。表記の統一には『記者ハンドブック 新聞用字用語集』のような基準となるものを社内で共有しておくと、部署ごとに統一表記が違うという事態を避けられます。「可能である」ことを述べる際に使う「~することができます」「~することが可能です」という言い回しにも注意が必要です。多用すると文章が冗長になります。

例えば「○○を使えば、劣化のリスクを低減することができ、製品の性能低下を阻止することが可能であると考えられます」という一文。「~することができる」「~することが可能である」という言い回しがひとつの文に続けて用いられています。文末の「~することが可能であると考えられます」といった遠回しな言い回しも気になります。「~できます」と言い切ってしまうほうが分かりやすく、ダイレクトに相手にも伝わります。マニュアルやレポートなど、ボリュームのある文章にこうした言い回しを繰り返し使うと、文字量ばかりがいたずらに増えて要点がぼやけてきます。「~すること」を省いて書き換えると文字量もぐっと減り、文がスッキリします。文章を読み返すとき「~すること」を頻繁に使っていないか今一度チェックしてみましょう。

<回りくどく冗長な文の例>

(冗長な文例)

〇〇を使えば、劣化のリスクを低減することができ、製品の性能低下を阻止することが可能であると考えられます。

           ↓ ↓ ↓

(このように修正すれば文字量が半減し文章もスッキリ)

○○を使えば、劣化のリスクを低減し、製品の性能低下を阻止できます。

【似て非なる同音異義語の入力ミスに要注意!】《平成29年9月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

今回は「うっかり入力ミス」してしまいがちな同音異義語を取り上げます。例えば「気密」と「機密」。文字を見ると意味の違いは分かりやすいですが、「密」が共通するためうっかり入力ミスしたことはありませんか?そこで今一度、意味の違いを確認しましょう。「気密」は、気圧が変化しないように密閉した状態のこと。対して「機密」は、国家・組織などの重要な秘密のことを意味します。気密の密は「密閉」の密、機密の密は「秘密」の密と覚えておくとよいでしょう。では「機密」と「秘密」の違いは何か?「機密」は、国家や企業にとって重要な秘密のことで、日常的・一般的なことには使わないのに対し「秘密」は、公的な事柄のほか、私的な事柄にも用いられるという違いがあります。隠して第三者には教えない事柄でも「秘密」と「機密」では重要度の高さが格段に違うということです。次に「連携」と「連係」。この2語も同音異義語ですが、字面が似ているため意味の違いを把握しておかないと混同しそうです。「連携」は、互いに連絡を取り協力して物事を行うことです。対して「連係」は、他と密接な関連をもつこと、切れ目なく続くことを意味します。連携の「連」は連絡、「携」は手を携えること。連係の「連」はつらなること、「係」は関係したり、つながったりすることと捉えれば、その意味の違いを理解しやすいでしょう。同じ読みで「連係」という言葉もあります。太陽光発電の発電設備を電力会社の送電線や配電線に接続して運用することを「系統連係」といい「連係」という言葉を使います。これは専門用語として使われている言葉で、辞書に該当するものはありません。このように一般の辞書にはない各業界の専門用語や業種特有の同音異義語も存在します。入力時に変換候補には上がらなくても、使用頻度の高い専門用語は辞書登録しておくと入力ミスを防げるでしょう。

<入力ミスに要注意の同音異義語>

●「気密」と「機密」と「秘密」

 気密:気密性が高い造り、気密試験、高気密

 機密:機密文書、機密が漏れる、データの機密性

 秘密:公然の秘密といわれている、私たちだけの秘密

●「連携」と「連係」

 連携:連携の強化、連携アプリ、県と市の連携

 連係:連係プレー、本社と支店との連係

【「急なお願い事」をするときの肝フレーズはコレ!】《平成29年8月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

人に頼み事をするときは「快く引き受けてくれるだろうか」「迷惑にならないだろうか」と何かと気を使うものです。こちらの都合で相手に急な対応を強いる場合は、より一層の気遣いが必要です。そんな急なお願い事をするときのメールの書き出しとして覚えておきたい言い回しが「突然のお願いで恐れ入りますが」あるいは「突然のお願いで恐縮ですが」です。これらは、急な依頼で相手の時間と労力を奪うことに対して申し訳ないという気持ちを伝えるフレーズです。困っているのだから、相手に助けてもらうのは当然という態度ではなく、謙虚な姿勢で言葉を尽くしましょう。依頼のメールの冒頭にひと言添える代わりに、結びのひと言として「突然のお願いで恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします」と書き添えてもよいでしょう。文末に添えるひと言としては、ほかにも「急にご無理を申しますが」「差し迫ってのお願いで恐縮ですが」などもあります。一度ならず二度、三度と続けて頼み事をするようなときは「何回もすみません」の代わりに「たびたびお手数をおかけします」という言い回しをおすすめします。「すみません」は便利な言葉ですが、相手に申し訳ないという気持ちを伝えるには少々軽い印象があります。「たびたびお手数をおかけしますが、再度、〇〇の書類をお送りいただけますか」といった具合に用いることで、丁寧かつ相手への敬意も伝わります。「たびたび」のほかには「重ね重ね」という言い回しもあります。「重ね重ねご迷惑をおかけしますが、ご対応をお願いいたします」のように用いるとよいでしょう。何回も相手に面倒をかけてしまう、というときには「何度もお手を煩わせて」というフレーズを使います。「何度もお手を煩わせることになり、申し訳ございません」「何度もお手を煩わせてしまい、恐縮です」といった具合に自分のミスや不備で相手に迷惑をかけるようなときは、より丁寧な言葉で誠意をもってお願いすることが大切です。

<相手に急な依頼する場合>

●突然のお願いで恐れ入ります

●突然のお願いで恐縮です

●急にご無理を申します

●差し迫ってのお願いで恐縮です

<繰り返し依頼する場合>

●たびたび(重ね重ね)お手数をかけ

●何度もお手を煩わせ

【「持参」「申し出」は謙譲語であることを知るべし!】《平成29年7月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

敬語には尊敬語と謙譲語がありますが、両者を混同するケースが多いようです。「当日は筆記具をご持参ください」という一文では「筆記具を持ってきてください」の意味で使う「ご持参ください」という敬語もそのひとつです。「持参」とは字からも分かるように、もともとは「持って参る」という謙譲語で、自分をへりくだっていうときに使う言葉です。謙譲語の主語は自分なので、自分が「持って行く」ときに「見本の商品を持参しました」とか、「ご確認いただきたい書類がありますので持参します」のように使います。「筆記具をご持参してください」という場合も「ご持参して」は「ご持参する」の活用形なので、謙譲語であることに変わりありません。相手に何かものを持ってくるように頼むときは「お持ちになってください」「お持ちください」とする方が適切です。相手に「持ってきてください」と伝える場合、使うのは相手を主語とする尊敬語です。尊敬語「お(ご)~になる」を使い「お持ちになってください」とするか、「~になる」を省いた尊敬語「お(ご)~ください」を用い「お持ちください」とします。そうすると冒頭の例文は次のように書き換えることができます。「当日は筆記具をお持ちになってください」または「当日は筆記具をお持ちください」。自分が「持って行く」場合、謙譲語「お(ご)~する」を用いて「私が筆記具をお持ちします」とし、すでに謙譲の意を持つ「持参」は使わない方が無難でしょう。似たような使い方をする言葉に「申し出る」があります。「自分から言う」という意味の謙譲語なので「退会することを申し出ました」のように自分の行為に対して使います。相手の行為に使う場合は「委員会参加の可否をお申し出ください」より「委員会参加の可否をお知らせください」とする方が適切です。相手の行為に「ご持参ください」「お申し出ください」を使うことは誤用ではありませんが、本来は謙譲の意の言葉で、自分の行為に用いる言葉であることは知っておくといいですね。

<「持参」と「申し出」の使い方>

●相手に依頼する場合

→必要書類をお持ちになってください。

→必要書類をお持ちください。

→必要書類をお持ちいただけますか。

→幹事が可能かどうかお知らせください。

●自分からする場合

→必要書類を持参します。

→幹事を引き受けると申し出ました。

【ハッキリさせよう「了解」と「承知」の使い分け!】《平成29年6月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

ビジネスメールだけでなく、電話や対面でもうっかり使ってしまいがちな敬語の間違いに「了解しました」があります。「分かりました」「理解しました」という意味で、メールでも会話でも広く使われている言葉なのに「どこが間違いなの?」と疑問に思うかもしれません。そこで今一度「了解」と「承知」の意味の違いを確認してみましょう。まず「了解」は、相手の事情や伝達内容を理解して「承知」することです。認めるという意味合いが含まれる言葉なので、本来は目上の者が目下の相手に了承の意を伝えるときに適しています。対して「承知」は、相手の事情を知り、分かっているという意味で相手からの申し入れや頼みを聞き入れるときに用いる言葉です。したがって、上司が部下に対して「了解です」「了解しました」と使うのは問題ありませんが、部下が上司に対して使う場合は「承知しました」「承りました」とするのが適切です。例えば、上司が部下からの連絡に返信する際「○○の件、了解しました」のように使うほか、自分が上司の承認を得ることを相手に伝えるときも「○○の件については上司の了解を得てからご連絡いたします」のように使います。一方、上司からの連絡に返信する際は「○○について承知しました」「○○のご連絡、承りました」とします。最近は「了解しました」でも「承知しました」でもどちらでもよいのでは?相手に合わせて好きな方を使えばよいのでは?という捉え方をする人も増えていますが、「了解」と「承知」それぞれの言葉の意味の違いを理解した上で使い分ける必要があるでしょう。「了解しました」を「了解いたしました」と丁寧に言い換えて客先や上司に対して使ったとしても、決して尊敬語にはなっていません。「~させていただく」のまん延同様に、本来の意味や違いをきちんと理解しないまま何となく語呂がいいからとか、それらしく聞こえるからという雰囲気や使いやすさで多くの人が使うようになると、間違いのまま普及していく恐れもあるので注意が必要です。

〈「了解」と「承知」の使い方〉

●上司から部下に伝える場合

 →打ち合わせの日程変更について了解しました。

 →日程変更の件、了解です。

●部下から上司に伝える場合

 →打ち合わせの日程変更について承知しました。

 →日程変更の件、承りました。


【「~させていただく」の使い方に要注意!】《平成29年5月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

ビジネスメールでうっかり間違えやすい敬語の使い方について紹介します。パンフレットの入手方法を説明する一文「パンフレットをご覧になられたい方は、こちらからダウンロードの上、ご覧ください」は、最初の「ご覧になられたい方」に注意。「パンフレットを見る」の「見る」の尊敬語は「ご覧になる」。「見たい人」の尊敬語は「ご覧になりたい方」とするのが適切です。「ご覧になられたい方」は、尊敬語の「ご覧になる」にさらに尊敬の「~られる」を付け加えています。このように尊敬語を被せたうっかりミスをよく見かけます。正しくは「パンフレットをご覧になりたい方は、こちらからダウンロードをお願いします」。文末の「ご覧ください」は、その前の文の「ご覧になる」と重なるため「お願いします」に修正しました。または「パンフレットをご覧になりたい場合は、こちらからダウンロードしてください」のように、人を指す「方」から「場合」に変えてもよいでしょう。では、次の文例はどうでしょうか。「インターネットで貴社のホームページを拝見させていただき、メールさせていただきました」。この文には、「~させていただき」が続けて使われています。伝えたいのは「あなたの会社のホームページを見ました」ということです。

「見る」の謙譲語は「拝見する」なので「ホームページを拝見し」とすればよいのですが、「拝見する」に謙譲語「~させていただく」が付け加えられています。さらに、あとの文にも謙譲語が使われて「メールさせていただきました」となっています。余分な敬語を整理し書き直すと「インターネットで貴社のホームページを拝見し、ご連絡いたしました」となります。「メールさせていただきました」から敬語をはずすと「メールした」となるため、「連絡した」と言いまわしを変え、謙譲語に変換して「ご連絡いたしました」としました。「~させていただく」を使っておけば敬語らしくなるからと多用しがちですが、じっくり読み返し、整理してから正しい敬語を効果的に使いましょう。

<尊敬語を重ねない!>

× ご覧になられたい方

〇 ご覧になりたい方

<「させていただく」の多用に注意!>

× 拝見させていただき、メールさせていただきました。

〇 拝見し、ご連絡いたしました。

〇 拝見し、メールいたしました。

【ものは言いようの「言葉の翻訳力」】《平成29年4月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

「言葉の翻訳力」といっても外国語を日本語に訳すことではありません。今回は、日本語への言葉の言い換え・書き換えについて考えてみましょう。「難解な言葉を易しく」「カタカナ言葉を漢字や平仮名に」「マイナスな表現をプラスに」。このように日常のあらゆる場面で「人に思いを伝える」ために、私たちは言葉を言い換えたり、書き換えたりして最適な言葉を選んでいるのです。私は仕事柄、難解な言葉や専門用語を易しく書き換える作業をすることが多いです。仕事そのもの以外に、仕事の前段階やフォローの場面でも、相手との関係を円滑にするためにメールや会話の言葉遣いには気を使います。例えば、久しぶりに会ったお客さまのルックスが少しふっくらしていた場合、「ちょっと太りましたか?」とは言わず「貫禄がつきましたね」と言います。第三者を言い表すときも「あのよく太った人」とは言ったり書いたりせず、「ふくよかな方」とか「かっぷくのいい男性」のような表現を使います。男女とも「太った」という表現は、言われてあまりうれしい言葉ではないため直接的な表現は避け、ほかの言葉に言い換えるのです。(ただし女性の場合は気付いても口に出したりはしません)。「変わっていますね」と言ったり書いたりするより、「珍しいですね」「個性的ですね」と表現します。相手の特異な部分を挙げつらって変わり者扱いするより、特徴のある点を個性として言い表すようにすれば、相手も嫌な気持ちにならないからです。また「迷惑です」より「困ります」の方が、相手に訴える力は強くなります。なぜなら相手の行為を非難するより、その行為によりもたらされた自分の気持ちを吐露する方が相手の心に響くからです。本音を言い合える懇意な相手はありがたい存在ですが、ビジネスの場ではあからさまに本音を言ってしまうと、場の雰囲気を壊し嫌悪なムードに変わってしまうことが多くあります。ものは言いようです。相手を不快にさせない表現力を磨くことも「翻訳力」のひとつではないでしょうか。

<言い換え・書き換える例>

× ちょっと太りました?

〇 貫禄が付きましたね


× あの太った人

〇 ふくよかな方・かっぷくのいい男性


× 変わってますね

〇 珍しいですね・個性的ですね


× 迷惑です

〇 困ります

【催促する際の「詰問調メール」に要注意!】《平成29年3月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

ビジネスメールは要件を分かりやすく確実に伝えることが求められますが、場合によってはとげとげしい言い方や無味乾燥な受け答えになることがあります。相手との関係が良好でトラブルなどないときは気になりませんが、何かしら問題が発生して好ましくない状況や環境になったときは対応も殺伐としてきます。特にメールのやり取り文字として残るので、会話ではなんとも思わない言い回しが文字にすると感じ悪く伝わることもあります。嫌悪な状態を避けるためにも伝え方をひと工夫したいものです。例えば、状況を相手に尋ねる場合「どうなっていますか?」は「いかがでしょうか?」と書き換えると印象もソフトになります。ほかにも原稿の進み具合を尋ねる場合は「まだですか?」と催促するより「いつごろ原稿を送っていただけますか?」の方が相手にプレッシャーを与えつつ期日も明確になります。こちらが相手からの返答を急ぐ時ほど「どうしますか?」「どっちにしますか?」と詰問調になりがちです。そんなとき、もっと穏やかに対応する言い回しとしておすすめしたいのが「いかがいたしましょうか?」です。相手に詰め寄り問い正すのではなく、問いかけ、考える言い回しに変えるだけで返信が早まることがあります。自社主催のセミナーで会場を押さえたいが、希望する日時は予約でいっぱいと上司に伝える場合も「水曜日は満室ですが、木曜日なら予約可能だそうです。いかがいたしましょうか?」と希望の水曜日はNGでも、翌日の木曜日はOKであると知らせ、上司が別案を検討しやすいように提案すれば「では、木曜日に」とか「木曜日は都合が悪いので、次の水曜日は?」と次のステップへ進みやすくなります。問題が起きた場合も「どうしたらいいですか?」と相手に全面的に頼るのではなく、解決策や選択肢を事前に用意した上で「○○という対処を考えていますが、いかがいたしましょうか?」と尋ねれば相手も判断しやすくなり、物事が早く解決できるでしょう。

<「いかがいたしましょうか」の活用例>

●Aということですが、Bも考えられます。

 いかがいたしましょうか?(反論)

●AよりもBの方が○○の点で優位性が

 ありますが、いかがいたしましょうか?(比較)

●AとB、2つの方法がありますが、

 いかがいたしましょうか?(選択)

【入力ミスをしやすい「一字違いの言葉」に要注意!】《平成29年2月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

読みが同じで表記が異なる言葉は、文字を入力する際にうっかり間違いやすいものです。特に一字しか違わないと見過ごしてしまうこともあります。そこで今回は、入力の際に気を付けたい言葉をピックアップして紹介します。「はいふ」には「配布」と「配付」があります。配布は、広く行き渡るように配ること。配付は、確実に相手に届くように配ること。配布の「布」は、広く行き渡らせるという意味があり、配付の「付」には、物を手渡すという意味があります。誰にでも届くようにばらまくのが「配布」、特定の相手に手渡すのが「配付」というイメージでしょうか。ただ、新聞表記や法令用語としては「配布」に統一されています。通常は「配布」を用いますが、あえて意味の違いを強調したい場合は「配付」を使うこともあります。「きてい」には「規定」と「規程」があります。どちらも「守らなければならないこと」という意味です。物事のやり方や内容などを決まった条文として定めることであり、その定められたひとつひとつの約束ごとを指します。新聞表記では「規定」に統一されていますが、官公庁などの内部執務に関するものには「規程」が使われています。さらに同じ読みの言葉に「既定」もあります。文字通りすでに決定していることで、反対語は「未定」です。「かくりつ」には「確立」と「確率」があります。確立は、制度・組織・計画・思想などをしっかりと打ち立て定めること。確率は、ある現象が起こる可能性の度合いを意味します。確立は、物事の基礎となることを十分用意したうえで、しっかりしたものに作り上げることです。対して確率は、ある現象が起こる確実性の大きさのことなので、確実さを計算し数字として表わせる場合に多く用います。文字を入力するときに「確立」と「確率」を取り違えたまま入力してしまう場面が多く見受けられます。文字通り打ち立てるのが「確立」、率とかパーセンテージで可能性の度合いを示すのが「確率」と覚えておくといいかもしれませんね。

<要注意の「一字違いの言葉」>

●「配布」と「配付」

 →街頭でチラシを配布する

 →参加者に資料を配付する

●「規定」と「規程」

 →規定の書式・規定料金

 →服務規程・国家公務員倫理規程

●「確立」と「確率」

 →体制の確立

 →成功する確率は80%

【意味を勘違いしやすい慣用句に要注意!】《平成29年1月掲載》[神垣あゆみ著「仕事美人のメ-ル作法」から転載 http://www.mag2.com/m/0000146166.html]

間違えたまま使っていることに気付く機会を与えてくれるのが、文化庁が実施している「国語に関する世論調査」です。そこで今回は、いくつかの慣用句の本来の意味について改めて確認してみましょう。「世の中には奇特な人がいるものだ」というときの「奇特」。文字の印象から「奇妙で珍しいこと」という意味と思い込んでいませんか?「奇特」の本来の意味は「言行や心掛けが優れていて、褒めるに値する様」です。「彼は奇特な人ですね」は変わり者という意味ではなく、感心な行いをする優れた人という意味です。こうした感覚的な思い込みをしていた期間が長いほど、本来の意味に気付いたときにきまりが悪いものです。自分が理解している意味と本来の意味が違うのでは?と疑問に感じた時点で、すぐに辞書で調べる習慣を身に付けましょう。「彼のスピーチは心の琴線に触れる内容でした」というときの「琴線に触れる」。これは、物事に感動・共鳴しやすい心の奥深くにある感情を「琴の糸」に例えた言葉です。じわじわ、しみじみと心に響く様を表し、近い意味合いの言葉としては「心に染み入る」「感じ入る」が挙げられます。良いものに触れ、感銘を受ける状態を表すときに用いますが、相手の怒りを買ってしまうという反対の意味でとらえている人も多いので気を付けましょう。相手の言動で不愉快になる気持ちを表す言葉には「気に障る」「気分を害する」「角が立つ」などが挙げられます。その他の慣用句に「愛嬌を振りまく」「そうは問屋が卸さない」などもあります。「愛嬌」は、その人の身に備わっていて、言動や顔つきに自然と現れる親しみやすいかわいらしさのこと。対して「愛想」は、人に良い感じを与えるために示す態度や動作のこと。「振りまく」に呼応するのは「愛想」ではなく「愛嬌」です。また問屋(とんや)とは、卸売商のこと。卸売りを専門にするのが問屋ですから「そうは問屋が卸さない」という例えが生まれました。そう考えると「そうは問屋が許さない」は間違いと分かりますね。

<間違えやすい慣用句>

●彼は奇特な人ですね。

 → 感心な行いをする優れた人のこと

●彼のスピーチは琴線に触れる内容でした。

 → しみじみと心に響く様

〇 愛嬌を振りまく

× 愛想を振りまく

〇そうは問屋が卸さない

×そうは問屋が許さない


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