税金は国会等で決められます。増税、減税その季節になると色々報道機関等で話題になります。税金が私達の生活や経済活動の中でどのように影響が有るのか、わかりやすくお伝えしたいと思います。
「個人事業主は、経費を使って税金を少なくできるからうらやましい」といった話しを会社員から聞くことがあります。しかし果たしてそれはどうでしょうか?所得税は、所得に税率をかけて計算します。所得とは、個人事業主では売り上げから経費を引いた金額です。会社員は、商談時の接待費などは会社が負担してくれるため給与が所得となります。しかしここが問題ですね。いくら会社が経費を負担してくれるとはいっても、食事をしながら部下の相談を受けるなど、自腹で支払うことも多々あります。そこで会社員などには、そういった必要経費を考慮した「給与所得控除」があります。仮に年収が500万円であれば、144万円も「給与所得控除」があります。自腹とはいえ、月々12万円も控除があるわけです。では「個人事業主が法人成りをして役員給与をもらっつたら」どうでしょう。もちろんこのケースも「給与所得控除」は受けられ、そのほうが節税となる場合もあります。何か不明な点があればお気軽にご相談ください。
国税庁は令和4事務年度の「所得税および消費税調査等の状況」を発表しました。実地調査の件数、非違件数、申告漏れ所得金額の総額および追徴税額の総額は増加し、その1件あたりの申告漏れ所得金額などについても高水準とのことでした。主な取り組みとしては、富裕層に対する調査は増加し、申告漏れ所得金額も過去最高だった昨年を上回る980億円に上りました。また海外投資やインターネット取引(暗号資産等取引を含む)に対する調査では、いずれも申告漏れ所得金額は高水準でした。このような調査をする際は事前に国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度などを活用し、入手した情報を分析してから積極的に調査を行っているようです。今年度の申告漏れ上位の業種は経営コンサルタント、くず金卸売業、ブリーダーと続き、1位の経営コンサルタントの1件あたりの申告漏れ所得金額は3367万円、追徴税額は676万円でした。ちなみに前年度の1位も経営コンサルタントでした。
2024年4月1日から相続登記が義務化されます。登記簿を見ても所有者が不明な土地が全国に多数あり、周辺の環境悪化や公共工事が阻害されるなどの社会問題を解決するために義務化されることになりました。これにより相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務となりました。正当な理由がないのに相引き渡すことができる相続登記をしない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。また2024年4月1日より前に相続した不動産も義務化の対象となるので要注意です。相続人の間で遺産分割の話し合いが難しい場合には「相続人申告登記」という簡易な手続きを法務局で行い、義務を果たすこともできます。さらに「遠くに住んでいて利用する予定がない」などの場合は、相続により取得した土地を手放して国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」というのもあります。相続税の申告が必要ない人でも、不動産を相続した場合は必ず相続登記を行いましょう。
先日、国税庁の税務調査を受けた地ビールの製造販売会社が、過去3年間に出荷した缶ビールについて「発泡酒に該当する」と指摘を受け追徴課税されたようです。わが国では、その製造方法や原料によってさまざまな酒類に分けられて税金がかかります。発泡性酒類については「ビール」「発泡酒」、第三のビールとも呼ばれる「その他の発泡性酒類」に分けられます。ビールと発泡酒の違いは、原料である麦芽の使用割合により区分されます。また麦芽の使用割合だけではなく、その原料や製法によって税率が細かく分けられて複雑です。2023年10月から、この複雑な体系をより簡単なものに一本化することなどを目的に、2026年までに段階的に税率が変更されます。350ミリリットル缶に換算すると、改正によりビールでは約6円引き下げられ、第三のビールは約9円引き上げられて、これまで約32円あった差が約16円まで縮りました。3年後に一本化したときは350ミリリットル缶では約54円の酒税となる予定です。
万が一のときのために個人で火災保険に加入している家庭も多いと思います。不幸にも火災が発生してしまった場合、支払われる保険金は損害を埋め合わせる資金であるため、所得税法では非課税とされています。また支払われた保険金が実際の損害額よりも少なく、その保険金だけで損害の全てを補うことができなかった場合は「雑損控除」として確定申告をすれば、税金が還付されることもあります。しかしながら個人が小売業などの事業を営んでいる場合、例えばその店舗において火災が発生して商品等が消失し保険金を受け取った場合には、その保険金は事業収入として計上しなければなりません。つまりその保険金は、税金の申告対象となるのです。一方、法人契約の火災保険の場合、例えば不動産賃貸業などを営んでいる会社の建物が、火災に遭った際に支払われる保険金は、全て課税の対象となります。このように契約形態の違いなどによって、支払われる保険金に関する税金の取り扱いもさまざまとなります。
2022年度の財務省の発表によれば、税収は前の年度よりも4兆995億円ほど増えて71兆1374億円となりました。70兆円を超えたのは初めてで、3年連続で過去最高を更新しています。税収が増えた要因としては、物価高による消費税収が増えたこと。コロナ禍からの企業業績の回復による法人税収が増加したこと。さらには賃上げの動きが広がったことによる所得税収が伸びたこと。いわゆる基幹税であるこの3つの税収が、増加したことが要因と考えられます。税収で一番多かったのが消費税の23兆793億円、次いで所得税の22兆5217億円、法人税の14兆9398億円で、この基幹税の合計で60兆円を上回っています。リーマンショック後に一番落ち込んだ2009年度の38.7兆円と比較すると、約22兆円も上回っています。一方で歳出については、新型コロナウイルス感染症や物価高騰に対応する予算を計上しながらも、結果的に使う必要のなくなった不用額が11兆3084億円と過去最大となりました。
「小規模企業共済制度」をご存知でしょうか。これは小規模企業の経営者や役員、個人企業主などのための、積み立てによる退職金制度です。この制度は「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が運営しています。掛け金が全額所得控除できるため節税効果が高く、その掛け金は毎月1000円から7万円まで、500円単位で自由に設定することができ、加入後の増額または減額も可能です。廃業や退職時等の共済金の受け取り方法は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能で一括の場合は退職所得扱い、分割の場合は公的年金等の雑所得扱いとなるため、共済金を受け取るときも税制のメリットがあります。また資金繰りなどが一時的に厳しくなったときは解約ではなく、掛け金の7~9割の範囲内で事業資金の貸付制度を利用することができます。貸付制度は即日の貸し付けも可能であり、しかも低金利なので安心して利用することができます。多くのメリットがある制度なので、未加入の方は一度、検討してみてはどうでしょうか。
国税庁はストックオプションに対するQ&Aを公開しました。その中で信託型ストックオプションについて「権利行使時に給与として課税する」ということを示しました。信託型ストックオプションとは、従業員が自社株式を購入する価格を会社側が設定した上で信託し、信託会社が従業員に配布する仕組みであり、スタートアップ企業(新興企業)を中心に導入されています。これにより従業員が得た利益は、比較的税率が低い譲渡所得(20%)にあたるとの認識で利用する会社も増えていました。しかし今回の国税庁での説明では、給与所得(最高税率約55%)にあたるとのこと。国税庁はこれについて従来の取り扱いを変更したものではないとして、会社側が与えた権利を従業員が行使して株式を取得した時点で実質的な給与にみなされ、すでに行使済みの従業員に対しても会社側がさかのぼって所得税の源泉徴収の必要があるとしました。今回の説明により多くの企業でさまざまな対応が求められそうです。
所得税法に規定する「非永住者以外の居住者」は、その年の12月31日において5000万円を超える国外財産を有する場合、その財産の種類、数量、価額等を記載した国外財産調書を所轄税務署長に提出しなければなりません。国税庁の発表によると2021年分の提出状況は、総提出件数が12109件、総財産額は5兆6364億円で8年連続で増加しており、集計が始まった2013年以降いずれも最高となりました。財産の種類としては有価証券が最も多い3兆5695億円、次いで預貯金が7591億円、建物が4474億円の順となっています。この調書は自主的に自己の情報を記載し提出するものなので、特例措置がもうけられています。期限内に提出した場合、所得税の申告漏れが生じたときでも加算税が5%軽減されます。しかし期限内に提出がない場合、または提出した調書に記載すべき財産の記載がない場合は、その財産に係る所得税の申告漏れが生じたときには、加算税が5%加重されるなどの措置があります。
今回は2023年度の税制改正のポイントについてお話しします。個人所得課税については、家計の資産を貯蓄から投資へと資産所得倍増につなげるべく、NISA制度の拡充と恒久化措置が講じられました。それにより「つみたて投資枠」については年間上限枠を120万円に拡充し、新たに設けられた「成長投資枠」の年間投資上限額を240万円に拡充するとともに「つみたて投資枠」との併用が可能となりました。資産課税については、相続時精算課税制度における基礎控除(年110万円)の創設により、この制度の選択後も毎年110万円以下の贈与については贈与税の申告が不要。また資産移転の時期に対する中立性を高める観点より、暦年課税における相続前贈与の期間を3年から7年に延長したほか、延長した期間に受けた贈与のうち100万円については相続財産に加算しない見直しが行われました。この他、法人課税については研究開発税制の見直し、先導的人材投資に関する税制の創設なども行われました。
2023年10月1日よりインボイス制度が開始されます。これにより適確請求書発行事業者(登録事業者)のみが適確請求書(インボイス)を交付することができます。制度の開始後は、これまでの請求書等の保存に代えて適格請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。登録事業者でない免税事業者からの課税仕入れについては、仕入税額控除を行うことができなくなります。しかし2023年10月から2029年9月までは、免税事業者からの課税仕入れについて、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置がもうけられています。具体的には、2023年10月1日から2026年9月30日までは仕入税額控除の80%、2026年10月1日から2029年9月30日までは50%を仕入税額として控除できます。ただしこの適用にあたっては、免税事業者等から受領する区分記載請求書等と同様の事項が記載された書類の保存と、その内容を記載した帳簿の保存が必要となります。
「103万円の壁」や「130万円の壁」という言葉をみききした方も多いと思います。最近では「106万円の壁」という言葉もありますが、今回は前者の2つの金額の壁についてお話します。103万円は税法上の扶養の壁、130万円は社会保険上の扶養の壁です。給与による年収が103万円以下であれば所得税はかかりません。また103万円以下でアルバイトをしている子どもや配偶者を扶養に入れることができます。配偶者の場合は、103万円超であっても201.6万円未満であれば配偶者特別控除という制度で38万円から1万円までの控除を受けることが可能です。一方、130万円の社会保険上の壁は、130万円までの収入であれば、扶養者の社会保険上の扶養に入ることができます。よくあるケースですが、配偶者が扶養の範囲内で働きたい場合は「所得税がかからない程度なのか、社会保険の扶養範囲内までなのか」など、いろいろな金額の壁を考えながらワークライフバランスと家計にベストな方法を検討する必要があるでしょう。
「今期は利益が出そうなので、決算直前でもできる節税対策はないでしょうか」という相談を受けました。このような場合の節税対策のひとつに「短期前払費用の特例」という制度があります。通常では費用の支払をしても、サービスの提供を受けていない来期分の「前払費用」については、当期の経費に算入することができません。しかし一定の条件を満たせば当期の経費とすることができます。その条件とは「契約によって継続的にサービス提供を受けるために支出したものである」「支払日から1年以内にサービス提供をうけるものである」「支払った金額を継続してその事業年度の経費にしている」です。例えば、決算月などに1年分の事業所家賃を前払いする契約に変更し、その一年分の家賃を支払えば経費として参入することができます。なお支払利息のように、収益と対応させる必要があるものについては認められません。また期間限定の広告代など継続的でない場合も特例が適用されないことがあるので注意が必要です。
国税は、申告した税額に基づき納税者自身が期限までに納付する必要があります。これまでは金融機関の窓口で納付したり、指定した口座からの振替えによる納付がほとんどでした。ところが最近ではクレジットカードやインターネットバンキングなどを利用した納付、eーTaxによるダイレクト納付、コンビニでのバーコード納付などといったいろいろな方法があります。
これに加えて2022年12月1日からスマートフォンのアプリによる「Pay払い」が可能になりました。これまでにもクレジットカードを使った納付はありましたが、利用者が金額に応じた手数料を負担する必要がありました。しかしPay払いでは手数料は発生せず、利用者に負担が生じません。現在、利用可能なPay払いは6種類あります。「アカウント残高を利用した支払方法のみ利用可能」で、一度の納付での上限額は30万円です。キャッシュレス法をもとに税金など国や市町村への支払いのキャッシュレス化はますます進んでいくでしょう。
今回は「誤って税金を多く納めていたり、もしくは少なく納めていたことに気がついた場合の対処方法」についてお話しします。計算間違いなどで税金が正しく納められていなかった場合には当然、訂正をすることになります。しかし「多く納めていた場合」と「少なく納めていた場合」とでは訂正の仕方が異なります。まず「多く納めていた場合」は「更正の請求書」という書類に訂正事項を記載して提出します。その際の注意点は、原則として法定申告期限から5年以内におこなわなければならないということです。一方で「少なく納めていた場合」は「修正申告書」を提出します。こちらも法定申告期限から5年以内ですが、悪質な行為が発覚した場合は7年以内まで延長されます。この場合、追加の税金を納めるとともに過少申告加算税(悪質な行為の場合は、過少申告加算税に代えて重加算税)や延滞税などの附帯税を納付する必要があります。なおこの附帯税は損金(いわゆる経費)には算入することができません。
金を売却した場合は原則、総合課税の譲渡所得となります。これは所有期間が「5年以内である短期」と「5年超である長期」とに分けられます。計算方法は「金地金の譲渡益」と「その年の金地金以外の総合課税の譲渡益」を足したものから「譲渡所得の特別控除」50万円を引きます。また「短期」の場合は全額が課税の対象になり「長期」はその2分の1が課税の対象となるという違いもあります。今回のケースは長期なので、110万円から特別控除額の50万円を引いた60万円の2分の1である30万円が譲渡所得の金額となります。
税金は決められた期限までに納める必要があります。例えば法人税は決算日の翌日から2カ月以内に納付しなければなりません。期限までに納付しなかった場合、納期限の翌日から2カ月を経過する日までは「年7.3%」か「延滞税特例基準割合+1%」の低いほうを、納期限から2カ月を経過する日の翌日以後については「年14.6%」か「延滞税特例基準割合+7.3%」のどちらか低い割合で計算した延滞税というものが本来の税金以外にかかってきます。ちなみに延滞税特例基準割合とは、財務大臣が告示する平均貸し付割合に、年1.0%の割合を加算した割合のことです。また延滞税以外にも過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税といった多くの加算税もあります。これらの税金は、法人税を計算する上では損金不算入となり経費として認められません。一方で社会保険料や労働保険料についても、納期限までに保険料を納めなかった場合、同様に延滞金を支払わなければなりません。ただしこの延滞金については、法人税を計算する上では損金に算入することができます。同じ罰則的な意味合いの延滞金を支払っても、処理の仕方はまったく異なります。いずれにしても本来は支払う必要のないお金です。税金や社会保険料などは、しっかり資金繰りをして期限までに納めるように心掛けましょう。
昨今、オフィスや小売店など多くの場面で欠かせない存在となっている外国人労働者。そこで今回は「外国人の雇用」に関して、日本人の場合との相違点をお話しします。大きな違いは3つあります。1つ目は行政に届出が必要な書類が格段に多いこと。2つ目は言葉の壁もあるため丁寧に説明したり理解してもらうことが多いこと。3つ目は文化などの違いにより日本人と同じような接し方ではうまくいかないこと。税金や社会保険の取り扱いについては基本的には同じですが、租税条約や社会保障協定によって一部異なる場合もあります。例えば、外国人労働者の家族が国外にいる場合、その家族が外国人労働者本人の配偶者または親族であること、日常の生活費などを家族に送金していること、年間の所得金額が38万円以下であることなどの条件を満たせば税金を計算する上で扶養に入れることはできます。ただ、そのためには親族関係書類などを準備する必要があります。また短期のアルバイトを雇い入れる際、それが中国から来た留学生であれば、アルバイト収入については日中租税協定の届出をすることにより免税となる可能性が高いです。このように日本人を雇用する場合と比べて留意すべき点もありますが、重要な戦力として活躍している 外国人労働者は多いので一度、検討してみてはいかがでしょう。
2020年度の税制改正の概要が昨年末に決まりました。「オープンイノベーション(企業が研究開発を行う際に組織の枠組みを超え、広く知識・技術の結集を図ること)の促進などを促す措置」「連結納税の抜本的な見直し」「全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現」「NISA(少額投資非課税)制度の見直し」などが行われます。具体的には個人所得課税については、未婚のひとり親に寡婦(夫のいない女性)寡夫(妻のいない男性)控除が適用されます。男性のひとり親と女性のひとり親について不公平を解消する目的で所得制限(500万円以下)を統一したり、子どもがいる寡婦と寡夫の控除額(35万円)も同額となります。NISA制度では20年間、積み立て可能な「つみたてNISA」が5年間延長されるため、2023年までに始めれば20年間の積立期間が確保されます。また法人課税については、一定の要件を満たしたベンチャー企業に対して大企業は1億円以上、中小企業は1000万円以上の出資を行った場合、その25%に相当する額が所得控除できます。この他にも持続的な経済成長の実現に向けた決定事項はたくさんありますが、この度の新型コロナウイルスによる世界規模の景気低迷により、税制に限らず経済活性化の一助となるような新たな策が臨機応変に講じられるかもしれません。
2016年度の税制改正により「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。いわゆる「相続空き家」を売却したときの特例です。人口の減少が進みつつある日本では、将来的に空き家が増えていく恐れがあります。また近年では全国で自然災害が多発しており、そのような状況下において旧耐震基準(1981年5月31日以前の耐震基準)の下で建築された空き家の増加を抑制することを目的にこの特例が創設されました。具体的には、被相続人(亡くなった方)が1人で住んでいた家屋や土地を相続などにより取得した人が売却したとき、特定の要件を満たせばその利益から3000万円を控除することができます。つまり3000万円までのプラスの財産であれば税金はかからないということです。対象となる家屋や適用要件など、この特例を受けるためには詳細な規定がありますが、大まかにいえば「家屋が旧耐震基準で建築されていること」「相続や遺贈などにより取得した、被相続人が住んでいた家屋などを売却すること」「相続の開始があった日から3年目の12月31日までに売却すること」「売却代金が1億円以下であること」などの要件を満たす必要があります。なお、この特例の適用期間は2023年12月31日までなので、対象となる方は早めに取り組みましょう。
「小学生の子ども1人と夫婦の3人で暮らしています。共働きですが、子どもが大学に進学するまでに上手に貯めていけたらと思っています。できれば税金の負担を軽くしたいのですが、何か良い方法はあるでしょうか」という質問がありました。最初に節税の基本について2つご紹介します。1つ目は「所得控除」と「税額控除」です。所得控除は税金を算出する前の所得を下げる方法です。一方、税額控除は算出された所得税から税金そのものを控除する方法です。そして2つ目は収入の多い人から優先して所得を減らすという方法です。所得税は所得に税率を掛けて算出されますが、日本の課税制度では所得が高ければ高いほど税率は上がります。そのためより節税になる方法としては、夫婦のうち収入の多いほうから先に所得を下げるのが得策です。上記のような点から共働き世帯に効果的な節税方法としては「住宅ローンを夫婦で活用する」「医療費控除を受ける」などが代表的でしょう。住宅ローン控除はそれぞれがローンを活用して税額控除を受けることができます。医療費控除は生計を共にしている家族であれば、その世帯の医療費の合計額について所得の高い人がまとめて所得控除を受けるほうが効果的です。この他にも「親を扶養に入れる」など節税方法は多いので上手に活用して将来設計をしましょう。
東京税理士会所属
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